来夏のパリ五輪予選として開催される男子W杯バレーが今日30日、幕を開ける。日本代表(世界ランキング5位)は初戦でフィンランド(同28位)を3-2で下した。8カ国総当たりの9日間7戦の短期決戦で、上位2カ国に与えられる来夏のパリ五輪出場権獲得へ、好スタートを切った。
石川祐希「仲間に助けられた」勝利の瞬間はベンチも安堵「もう1度気を引き締めて」
なぜ日本2-0から大苦戦?「それぞれ目も見ず」高橋藍はコミュニケーション不足反省
日本を追い詰めたフィンランド 国際大会で目立った成績なく、五輪出場経験もなし
日本男子W杯開幕戦フルセットの激闘を制す!高橋藍22点目で試合決めた
高橋藍、最多23得点で接戦勝利に貢献も「簡単に勝てる試合はない」
初戦白星も苦戦の石川祐希に笑顔なし「良い所はあまりなかった。ミスが多かった」
スコア
日 本 | 3 | 25-17 25-15 25-27 19-25 15-12 | 2 | フィンランド |
日本のスタメンはアウトサイドヒッターに石川祐希、高橋藍、ミドルブロッカーは小野寺太志、山内晶大、セッター関田誠大、オポジット西田有志、リベロ山本智大が名を連ねた。
第1セット
エース石川のブロックアウトでの得点から幕を開けた。2-3とされたが、高橋のアタックで追い付き、石川のサービスエースで逆転。山内のサービスエースなどで3連続得点で7-4リードした。 中盤に13-12と迫られたが、そこから4連続得点。石川の2連続サービスエースも飛び出し、終盤には西田のエースで突き放した。途中出場したオポジット宮浦健人が24、25点目と挙げ、セットカウントを先取した。
【動画】石川祐希が強烈なサーブでエース奪う フィンランドのレシーブを大きくはじく
第2セット
このセットも日本が走った。2-2の場面で高橋藍がくるりと体を後ろ向きに回しながら押し込み勝ち越し。セット中盤にはフェイクセットが飛び出した。高橋藍がスパイクと見せかけてトスを上げ、相手ブロックを翻弄(ほんろう)し、西田がスパイクをたたき込んだ。 19-10からは西田のサーブがさく裂。2連続、この日3本目のエースを奪った。勢いに乗ってこのセットを奪い、セットカウントを2-0とした。
第3セット
スタートからアウトサイドヒッター高橋健太郎がコートに立った。1-1から高橋藍が相手レシーブがのけぞるほどのスパイク。4-4からは西田がこの試合4本目のサービスエースを奪った。途中出場の高橋健もブロックで初得点。その後は点の取り合いで競り合いに。日本は7-6から3連続得点され、2点のビハインド。タイムアウトを取り、西田の5本目のエースで流れを取り戻したかに見えたが、ここでトラブル発生。14-16としたところで、天井にカメラをつるしていたワイヤが垂れ下がり、約14分間試合が中断した。 再開後、最初の得点を許したが、3連続得点で追い付いた。点の取り合いが続き、24-24までもつれた。一時はマッチポイントとしたが、25-27でセットカウントを落とし、1-2とされた。
カメラを固定するワイヤーが外れるアクシデントが発生し、一時中断となる。15分程度で再開。
【アクシデント】バレー男子W杯日本戦で異例14分間中断 天井からカメラ固定するワイヤー切れる
【動画】高橋藍がセンターから強烈バックアタック決め咆える フィンランドのリベロとれない
第4セット
西田のアタックで先制したが、徐々に流れを奪われた。10-10までは一進一退だったが、中盤に突き放された。守備からリズムを作ったフィンランドに4連続ポイントを許しリードを広げられた。宮浦のブロックアウトを誘うアタックなどで2点差まで迫ったが、18-21からセットポイントまで連続得点され、勢いを止められなかった。19-25でセットカウントを落とし、最終セットに入った。
第5セット
宮浦のアタック、小野寺のエースで3-1と幸先よく得点を重ねた。激しいラリーを制し、石川が仕留めるなど、10-6までリードを広げた。しかしフィンランドが意地を見せた。日本のミスも目立ち、6連続失点し10-12と逆転された。 最後に粘ったのは日本だった。山内のブロックで同点とすると、西田のアタックでマッチポイントを奪った。最後は高橋藍の22点目で試合を締め、フルセットの激闘を制した。
【動画】宮浦健人がバックアタックを気持ちで押し込む 最終第5セット負けられない
高円宮妃久子さま(左)と承子さまも来場
パリ五輪への道
パリ五輪出場枠は開催国フランスを含む12。五輪予選のW杯バレーは、世界ランキング上位24カ国が8カ国ずつ3組に分かれ、総当たりで対戦。女子は中国(プールA)、日本(同B)、ポーランド(同C)で開催され16日に開幕する。男子はブラジル(同A)、日本(同B)、中国(同C)で30日に開幕し、男女いずれも各組上位2カ国の計6カ国ずつが出場権を得る。残る5枠は、男女ともに来年のネーションズリーグ(VNL)予選ラウンド終了時(6月)の世界ランキングで決定。日本がW杯バレーで出場権を逃した場合は、VNLに出場し、ポイントを重ねてランキングをより上位に上げることが必要。W杯バレーでの大陸別の切符獲得状況も、重要な要素となる。
男子W杯バレー日程
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