“慎さんのスクラム”に対抗する。

ラグビーのリーグワン1部で3位につける東京サントリーサンゴリアス(東京SG)は19日午後7時、東京・秩父宮ラグビー場で7位の静岡ブルーレヴズを迎え撃つ。

勝利すれば3季連続となる4位以内のプレーオフ進出が確定。15日は東京・府中市内の練習場で調整し、田中澄憲監督(48)は「明らかにスクラム」と攻略のキーポイントを設定した。

静岡は前身のヤマハ発動機時代からスクラムを強みとし、今季は19年、23年W杯で日本代表を指導した長谷川慎コーチ(52)が復帰。東京SGの主将を務める23年W杯日本代表フッカーの堀越康介(28)も“慎さんのスクラム”をよく知る1人で「相手の力を出させず、自分たちは100%で組むスクラム。組む前の形で決まる。逆に僕たちが100%のセットアップ(組む前の準備)をすることで、相手を70~80%にしたい」と理想の展開を描いた。

フッカー同士でも駆け引きがあるという。前回1月13日の対戦時の静岡の対面は日本代表経験を持つ日野剛志(33)。互いを知る間柄で、組む前から「俺らには通用しないぞ」「(やりたいことが)分かっているからな」などと言葉での駆け引きがあるという。堀越は「僕は後輩なんで(言葉の駆け引きではなく)味方にフォーカスしています」と笑わせ「ギャップ(相手との間合い)、足の位置…。(組む前の)バインドのところで(勝負が)決まる」と細部に目を向けた。

この日の気温は26度を超え、日差しを浴びながら精力的に汗を流した。攻撃的なスタイルのチームを代表し「暑くなるのはサントリーにとって、最高のコンディション」ときっぱり。まずは起点のスクラムで主導権を握り、プレーオフへの切符をたぐり寄せる。【松本航】