北京オリンピック(五輪)ジャンプ混合団体で日本の日本の高梨沙羅らオーストリア、ドイツ、ノルウェーの5選手が失格になった騒動で、国際スキー連盟の役員で、ジャンプ競技の器具チェックを担当するポーランドのアガ・ボンチフスカ審判員が9日、地元メディアの取材に応じた。母国のメディア「スポーツ・エキスプレス」のインタビューに応じ、高梨の流した涙について問われた。

同審判員は「高梨選手の涙は見ました。これは常に困難な話です。感情的に困難な仕事でした。技術的な面からチェックするのは簡単ですが、規則外のスーツなので、勝つために、メダルのために戦うことはできないということを、彼女たちに伝えるのは難しかったです。長年、これらの選手たちを知っていますが、この仕事は私にとって難しかったです」と口にした。

失格者が出た4チームとの話し合いについて、同審判員は「日本人は決して不平を言わないし、間違いを受け入れ、謝ります。他の国は、状況と折り合いをつけるのは少し難しいです。彼らは結論を出すために何が起こったのかを調べようとしていますし、感情的にアプローチします」と日本以外のチームとの話し合いには時間がかかるとした。

特にドイツを率いるシュテファン・ホルンガッハー監督が「私にしてみれば、パペットシアター(操られた舞台)のようだ」と強く非難してきたことについては不満そうだ。同監督からは連絡がきていないとしたボンチフスカ審判員は「私は個人的にこれらの言葉を見ないようにしているが、それは時に不可能です。もし人が自らの仕事を正しく行っていれば、あのような言葉を聞くのは不愉快です」と心境を明かしていた。