パラ水泳の木村敬一(27=東京ガス)山田拓朗(26=NTTドコモ)ら日本代表の主力選手が26日、世界選手権開催が予定されたメキシコ市から帰国した。

 日本チームは30日からの大会に備えて18日から現地合宿に入ったが、翌19日の地震で大会は延期。帰国便の都合で6班に分かれ、この日早朝に選手とスタッフ計10人が成田空港に着いた。

 地震があった時は、ちょうどホテルで休憩をとっていた時間。市街地から離れたホテルでけが人こそいなかったが、外壁やガラスには損害があった。「建物がいつ倒れるかと、本当に怖かった」と木村。会場のプールも練習用プールも使用不可となり、約1週間ホテルで帰国の時を待った。

 視覚障害の男子100メートルバタフライで連覇を狙った木村は「たくさん亡くなった方もいる。安心して暮らせてスポーツが成立する。金メダルよりも大切なものがあるので」と被災者を気遣い、山田も「大会がなくて残念だけど、状況が状況だから仕方がない。市街地はひどい被害だし、被災者も多い。大会どころではなかった」と振り返った。

 大会側からは延期の発表があったが、会場のプールも被害が大きく競技ができるまでには時間がかかりそう。日本身体障がい者水泳連盟によれば、このまま中止となる可能性もあるという。