平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピックのスノーボード男子バンクドスラローム下肢障害金メダルの成田緑夢(ぐりむ、24=近畿医療専門学校)が5日、20年東京パラリンピックに陸上の走り高跳びで出場を目指すことを発表した。

平昌大会後、パラリンピックの冬季競技からの引退を表明。夢である「夏冬オリンピック(五輪)・パラリンピック出場」を目指し、20年東京五輪とパラリンピックの競技を模索していた。15年に“パラ陸上界の鉄人”こと山本篤(36)に陸上を勧められて走り高跳びを始めた。トランポリンやスキーなどで培った身体能力で、今年7月の「ジャパンパラ陸上」の走り高跳び(下肢機能障害などT44)では、自己ベストにあと5センチまで迫る1メートル75で優勝した。陸上と並行して「障害が不利にならない競技」として、カヌーにも挑戦。2週間程度の練習で、健常者の国内トップ選手が参加する大会に出場し、完走した。

次の目標を東京パラリンピックに定め「(高跳びは)まだまだ初心者ですが、夏のパラリンピック出場に向けて頑張ります」と決意表明。東京五輪については、熟考したが「間に合わない」と断念し、24年パリ大会を狙う意向を示した。

◆成田緑夢(なりた・ぐりむ)1994年(平6)2月1日、大阪市生まれ。13年フリースタイルスキー世界ジュニア選手権男子ハーフパイプで優勝。13年4月、練習中の事故で左足に障害を負い、夏冬二刀流のパラアスリートになる。18年平昌パラリンピックのスノーボード・バンクドスラローム金、同クロス銅。同年3月に冬季競技から引退を表明。兄童夢と姉今井メロは06年トリノ五輪スノーボード代表。173センチ、63キロ。