80キロ級は実力者の宇城元(47=順天大職員)が制した。161キロからスタートし、167キロ、170キロと3回の試技にすべて成功。この日出場した6階級全17選手中、失敗がなかったのは宇城だけだった。

「まったく緊張することもなく、大事に試技がやれた。練習の一環という認識でした」と宇城は淡々。目標は20日からのW杯英国マンチェスター大会。東京パラリンピック出場につながるランキング対象試合だ。昨年9月のW杯兼東京テスト大会であげた179キロで現在12位につけるが、東京出場へは4月のUAEを含めたW杯2大会の結果で8位以内に入る必要がある。自己ベストは17年に記録した186・5キロの日本記録。この重量でもトップ10に入れるかという厳しい争いで「マンチェスターでは186を目標に最低でも183はほしい。しっかり調整したいですね」。

W杯への調整を優先して欠場した選手もいたが「僕は(競技の)普及を考えて出場した。多くの人に知ってほしいから、出てよかったと思っている」とベテランらしい言葉も口にした。宇城が04年アテネ、12年ロンドンに続くパラリンピック出場を果たすことが、パワーリフティングの認知度向上にもつながる。