日本の車いすテニス界は、東京パラリンピック前の国内最大大会を、昨年に引き続き今年も失った。

4月20日から福岡・飯塚市で開催予定だった車いすテニスの世界ツアー公式戦ジャパンオープンの主催者は15日、20年に引き続き開催中止を発表した。

大会事務局はこの日、前田恵理大会会長、鐘ヶ江淳一トーナメントディレクターの連名で中止のお知らせを発表。まず「あらゆる手段を検討し、開催のために準備を進めて参りました」と、今年こそ開催をしようと尽力をしてきたことを強調した。

しかし「ここ2カ月で感染者が激増。福岡も再び緊急事態宣言下に置かれております」と、現状の厳しさを説明。「国内外から100名以上の選手と、延べ2000名を超えるボランティアとスタッフを抱えるこの大会において、危機管理体制を整えるのは大変困難で、安全を守れない以上、中止せざるを得ないとの判断に至りました」と、苦渋の決断だったことを明かした。

同大会は、全世界で約40カ国、150大会以上が開催されている国際テニス連盟公認の国際公式戦だ。85年から開催されており、4大大会に次ぐ、世界で6大会しかないスーパーシリーズのレベルだ。アジア最高峰の大会で、18年からは、障害者スポーツ大会初となる「天皇杯・皇后杯」が下賜された。日本選手では、男子は世界王者の国枝慎吾、女では世界2位の上地結衣らが優勝に名を連ねている。