2000年のシドニーパラリンピック柔道男子90キロ級で5位入賞した稲葉統也氏(55=静岡県静岡市在住)の講演会が8日、同市内の常葉大橘中・高で行われた。東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会が展開する教育プログラムの一環で行われ、約1200人の生徒がオンラインで視聴した。

30歳で国の難病指定の1つ「網膜色素変性症」にかかり視力を失った稲葉氏は、柔道以外でも活躍。陸上の投てき種目で国体6連覇を達成するなど、さまざまな記録を持つ。40分間の講演では、自身の経験を伝えながら「時には厳しく、苦しい時もある。それでも好きなことを一生懸命やり続けていけば必ず道は開ける」などと呼びかけた。

同校の高校サッカー部に所属する村上輝音(3年)は「精神的にも苦しい状況に打ち勝ってきた稲葉さんは本当にすごいと思った」。勝呂駿一郎(3年)も「自分も、受験や部活で目標を持って努力していきたい」と、刺激を受けた様子だった。【前田和哉】