リオデジャネイロ五輪のラグビー女子7人制日本代表の冨田真紀子(24)が21日、所属するフジテレビでの壮行会に出席した。

 本社10階の会議室に、同社幹部がずらりとそろった中で、公式スーツに身を包んだ冨田が登場すると、幹部から大きな歓声が起こった。

 相手に食らい付いたら離さないドーベルマンタックルが代名詞の冨田は、フジテレビでは人事部に所属し、新入社員の選考などに当たっている。あいさつにたった冨田は「家族と会社に感謝しています。今日はしっかりと送り出してください」と、緊張気味に声を張り上げると、会議室には声援が響いた。

 冬季長野五輪のフリースタイルスキーで金メダルを獲得したフジテレビ社員の里谷多英さん(事業部)も激励に訪れ、金メダルを披露しながら冨田を激励。冨田がフジテレビ社内の階段をダッシュしていたエピソードを披露しつつ「レスラーみたいな練習をしていた」と、独特の表現で笑いを誘っていた。冨田は「2階から7階くらいまで、一気に登れる長い階段があるので、ちょうど30秒くらいだったので警備員の方の視線を感じながらダッシュしていました」と、業務中にも努力していた秘話を明かした。

 最後は亀山社長が花束を贈呈。亀山社長は「うちには里谷が取った金と銅がある。だから、もちろん金メダルをとってもらいたいですが、銀でも全然オーケー。そうしたら金、銀、銅がそろいますから」と、ジョークをまじえたエールを送り、冨田も大笑いしつつうれしそうに聞いていた。

 冨田は「まさか7人制ラグビーがオリンピック種目になるとは思わずやってきました。楽しくてずっとやってこれました。痛みは伴いますが、仲間のために頑張るラグビーのスポーツ精神が大好きです。五輪出場は雲の上の目標でしたが、自分の足で切り開くことができました。これも家族と会社や周囲のみなさんのおかげです。フジテレビを背負って頑張ってきます」と、締めのあいさつをして盛大な拍手を浴びていた。