妻と娘が教えてくれた女性の力 宮本和知はなぜ巨人に女子チームを立ち上げたのか/後

読売ジャイアンツ女子チームの宮本和知監督(59)は、原辰徳1軍監督と山口寿一オーナーの心を動かし、球団初の女子チームを誕生させた。野球女子の受け皿を用意することだけが目的ではない。宮本監督がユニークなのは、女性の力そのものが、野球界の発展に大きく寄与すると考えているところだ。それには、奈緒子夫人と今年中学1年になった次女璃乃(りの)さんの存在があった。(写真は奈緒子夫人と璃乃さん=宮本和知氏提供)

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◆宮本和知(みやもと・かずとも)1964年(昭39)2月13日、山口県生まれ。下関工から川崎製鉄水島を経て84年ドラフト3位で巨人入団。97年に現役引退。通算成績は66勝62敗4セーブ、防御率3・60。引退後はタレントとしても活動し、明るいキャラクターで人気を博した。19年巨人にコーチとして復帰。22年球団社長付アドバイザー、今年から女子チーム監督に就任。

妻の奈緒子さん 葉山巨人軍で指導

神奈川県葉山町。皇室の別荘である御用邸があり、有名人も多く住む。関門海峡を臨む山口県下関市出身の宮本監督は、身近に海を感じられる生活を気に入り、ここに居を構えている。

葉山に住み始めてからしばらくたった2010年3月。少年少女野球チーム「葉山巨人軍」を立ち上げた。現在は総監督という立場でかかわっている。

コーチングスタッフには、東京6大学で活躍した元選手やチームのOBが名を連ねているが、宮本監督夫人の奈緒子さんも、小1から小3までの子供たちを教えているという。

宮本和知監督夫人の奈緒子さん(中央)の周りに集まる葉山巨人軍の子供たち(宮本和知氏提供)

宮本和知監督夫人の奈緒子さん(中央)の周りに集まる葉山巨人軍の子供たち(宮本和知氏提供)

「うちの奥さん、野球経験は全くないんですよ。でもね、おもしろいことに子供たちの方から寄ってくるんです。あっ、これだと思いました。大きなヒントをもらったんです」

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1988年入社。プロ野球を中心に取材し、東京時代の日本ハム、最後の横浜大洋(現DeNA)、長嶋巨人を担当。今年4月、20年ぶりに現場記者に戻り、野球に限らず幅広く取材中。