ボートレース24年度のSG、プレミアムG1などの日程が5日、発表された。際立つのは本年度がナイターSGが蒲郡ダービー、住之江グランプリ(グランプリシリーズ含む)の2開催に対し、来年度は5開催(※別表参照、25年のクラシック含む)。“夜型”へのシフトが、売り上げ増加に拍車をかけるとみる。

記者は18年の6月から、約5年間、中央競馬を担当し、ボートレースに戻ってきた。5年の間にグランプリ初のナイター開催が行われ(19年)、大村では「発祥地ナイター」が始まり、ミッドナイトボートレースも始まった。

売り上げは増え続けている。21年度の売上額は2兆2168億3216万1100円で記録更新。それまでの最高は91年度だった。実に30年ぶりに塗り替えたことになる。22年度は2兆4142億4689万1800円で、前年比100・9%。3年に及ぶコロナ禍で外出自粛が続き、“リモート”で舟券を買う客が増えた。全体の売上額に占める電話投票の数字は77・7%、ナイター&ミッドナイトの割合は全体の42・7%。全24場のうち、7場で4割強、約1兆円を売っている。

コロナが明けても、ボートレースの楽しさを知った層が買い続けてくれている。ファンを離さないために、魅力あるコンテンツが必要だ。住之江では「住之江5」「トワイライト8」など、より買いやすい番組を提供、各場の努力が“好景気”を支えている。

JRAの22年度の売得金は3兆2539億707万6200円で前年比105・3%となり、11年連続で前年度を超えた(JRAは1~12月で計算)。ボートレースの売り上げはJRAの74%まで来ている。

ボートから競馬担当へ異動し「競馬記者」を5年やった感覚としては、シンプルにメジャーだと感じた。G1開催日に、競馬場を訪れる人の数は、SG優勝戦の比ではない。競馬からボートに復帰した身としては、体感的に売り上げが競馬の7割超まで来ていることに、驚きを隠せない。関係者の努力のたまものだろう。

もうひとつ、数字を紹介したい。JRAの発表によると、22年度、年間の開催競馬場への入場者数は279万937人。感染拡大防止の入場規制を緩和したことで、前年比386・2%と大幅増を記録した。売り上げは7割超でも、来場者数は、JRAにまだまだ及ばない。

電話投票中心に売り上げが伸びる一方で、現場にファンを呼ぼうと、さまざまな取り組みが行われている。「BOAT KIDS PARK Mooovi(モーヴィ)」は各場で盛況だ。子どもの発達段階に応じての遊びが仕掛けられ、「からだあそび」を通じて成長を促す。赤ちゃんでも安心して遊べる施設だ。ボートレース場が、地域の新しいふれあいの場になっている。

ナイターSGが増え、来年度も前年比100%超えが予想される。ただ、永続的に売り上げ増加を目指すなら、来場するファンが増えなければ…とも思う。ギャンブルであることは間違いないが、それだけではない競技の魅力がある。エンジンの爆音、目の覚めるようなターン、激しい競り合い、かすかなガソリンのにおい…。現場でなければ湧かない感情がある。前競馬担当としては、売り上げだけでなく、社会的認知度、すなわち“メジャーさ”も、JRAを追いかけてほしい。名馬の激走になぜ涙するファンがいるのか。馬券の勝ち負けを超えた思いが、そこにはある。両方の担当記者をしたから分かる。どちらのレースも魅力たっぷりなのだから。【網孝広】

24年度ボートレースSG、プレミアムG1などの開催地
24年度ボートレースSG、プレミアムG1などの開催地