ヤンググランプリは渡辺雄太がインを強襲、悲願のG2制覇を果たした。

 昨年は逃げて8着に沈んだ。それでも、若手がそろったなか、積極的なレースで存在感は示した。今年はそのご褒美か。師匠で叔父の渡辺晴智からも「先行しないんなら、取りにいけ」とアドバイスをもらい、勝つことに主眼を置いた。

 レースは全員が自力を持つ単騎9人の戦い。展開は読みにくいが、どうあれ「2センターから踏むと決めていた」(渡辺)。ちょうど、そのポイントでインを見るとがら空き。逃げた取鳥雄吾を番手からまくる鈴木竜士がもたついているところを「めっちゃ伸びました」と直線一気に差し切った。

 V賞金505万円の使い道は「車を買ったばかりなので、その借金を返します(苦笑)」。ところが、高級輸入車の値段にはまだ足りない。来年はさらなる活躍を期待だ。【村上正洋】

 ◆渡辺雄太(わたなべ・ゆうた)1994年(平6)12月1日、静岡県富士市生まれ。星陵高卒。105期生として競輪学校に進み在校成績は13位。14年7月函館でデビュー。師匠の渡辺晴智は叔父。通算204戦93勝。通算獲得賞金4601万8800円。177センチ、75キロ。血液型B。