競輪、楽しんでいますか?

 いわき平競輪場で行われているオールスター競輪も18日、いよいよ佳境の準決を迎える。その準決進出をかけた2予も各レースとも熾烈を極めた。最終バック9番手から3、4角で内を強襲して1着をもぎ取った中村浩士選手(5R)、ナショナルチームの新田祐大選手を相手に打鐘から豪快に逃げ、2着から微差+タイヤ差の4着に泣いた根田空史選手(10R)など、しびれるレースを見せてくれた選手は枚挙にいとまがない。

 その中でも6Rで長い写真判定の末に3着に入った園田匠選手にはうならされた。レース後「ハンドル投げのテクニックの差だね」と話し掛けると、「まあ、これを見てくださいよ」と指し示したのがスポークが壊れた前輪。「(道中で)車輪が壊れたのが分かった。だから(ペダルを)踏み過ぎると車輪全体がグシャッとなりそうだったので、無理せず(ペダルを)回して、最後のハンドル投げだけに集中した」とのこと。

園田匠選手と、よく見るとスポークが壊れた前輪
園田匠選手と、よく見るとスポークが壊れた前輪

 これが準決に進めるか否かの瀬戸際で冷静に判断できるのだから、さすが、幾度も修羅場をくぐり抜けてきた猛者は違う。園田匠、恐るべし。山崎賢人-山田英明両選手の3番手を回る今日の準決12Rも何かやってくれそうな予感だ。

 いやぁ、競輪選手って、すごい。【栗田文人】