新田祐大(31=福島)がまくり一撃で初制覇し、13代目「夜王」を襲名した。

 世界を舞台に戦うスーパーダッシュの新田が豪快な花火を打ち上げた。赤板から三谷竜生が仕掛けて主導権を握ったが「いいタイミングがあった」と最終ホーム6番手からスパート。上がりタイム9秒1のシリーズ1番時計をたたき出す新田ワールドで「夜王」初戴冠を決めた。

 前検日は、東京・品川から新幹線こだまに乗る予定が、のぞみに飛び乗って名古屋まで行く失態で大遅刻。遅れてきた男が3年前のG2共同通信社杯を制覇したバンクで、圧巻の最速ゴールだった。

 前場所のG1高松宮記念杯を制してKEIRINグランプリ切符をつかんだ。だが「直後にナショナルチームの合宿や遠征があって優勝の感覚がなかった。明日は練習が休みなので。今度は優勝を味わえる(笑い)」。

 次の大舞台はファン投票2位となった8月の地元いわき平オールスター。「またワンツーを決める」と王者の自負をのぞかせた。連続のG1制覇へ最高の刺激と自信を得て突き進む。【大上悟】

 ◆新田祐大(にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日、福島県会津若松市生まれ。県立白河高卒。競輪学校90期生で在校52位。05年7月函館デビュー。14年伊東G2共同通信社杯優勝。15年3月日本選手権で4日制以上のG1初制覇。同G1通算4回優勝。827戦280勝。通算取得賞金7億3077万4437円。172センチ、86キロ。血液型O。