3連勝で勝ち上がった準決11Rの柴崎淳は、関東勢に翻弄(ほんろう)された。

吉沢純平の前受けは考えていなかったのだろう。予想外の前受けで、小川真太郎の動きに合わせて前に出てしまった。そうすると小川をたたいて関東勢が先行となるので、柴崎は読みを間違った。今後もG1は続く。気落ちせず、取り組んでほしい。

ヤマコウは松浦悠士に初タイトルのチャンス到来と期待した
ヤマコウは松浦悠士に初タイトルのチャンス到来と期待した

決勝は吉田拓矢を得た平原康多が有利だ。しかし、ここはあえて松浦悠士を狙いたい。準決10R、清水裕友に前を任せて心中覚悟で挑んだ。「あいつで駄目ならGPも諦めがつく」と言うように、この心構えは大事だ。何事も自分の思い通りには動かない。その気持ちになると、いい緊張感に変わる。私も現役の時は「駄目なら今回は運がなかった」と考えられるようになってから、気の持ち方が楽になった。「緊張して足がうまく回らなかった」と言うが、4角からの差し方は抜群だった。

決勝は、吉田と清水にラインができる。吉田は先行基本に戦うかどうか。平原は完走すればGP当確。諸橋愛は優勝が条件となる。吉田もG1の決勝は今度いつ乗れるか分からないので(前回は17年の岸和田高松宮記念杯)、4角勝負ができる先行がしたいだろう。そう考えると場数では清水の方が一枚上なので、前を取っても巻き返すチャンスは十分ある。イン粘りも考えているのではないか。

松浦の初タイトルの可能性も十分ある。(日刊スポーツ評論家)