日刊スポーツ新聞社制定「第30回オートレース年間三賞」の選考委員会が17日行われ、2017年の敢闘賞はSS王座決定戦を制した荒尾聡(36=飯塚)に決まった。表彰式は2月27日に東京・品川プリンスホテルで行われる。

 感涙のVゴールで敢闘賞受賞を決めた。昨年末のSS王座決定戦を制した荒尾聡は「SGはもう取れないと思ったこともあったし、夢のようだった」と振り返る。日刊三賞は02、04年敢闘賞、07年技能賞に続く4回目の受賞。「SGと同じ。今後も受賞はないのでは、と考えていたので、評価されて感激です」と喜びを語った。

 SGは07年オールスター以来、2回目の優勝。8周3角で青山周平をさばいて先頭に立ち、そのまま押し切った。「やったぜ~」と叫びながらロッカーに戻ると、サプライズが待っていた。篠原睦ら飯塚の仲間たちの胴上げ。こらえていた涙を止められず、目を真っ赤に腫らした。

 SS王座決定戦前に、SG優勝戦進出は実に40回、2着は9回もあった。何度もファイナリストになりながら、Vが遠かった。味わった悔しさを、調整にレースにしっかり生かした。「エンジンには自信を持っていたし、レースでは青山周平、鈴木圭一郎選手の動きを冷静に見て乗れた」。

 18年の目標は「注目される立場になるし、情けないレースをしないようにしたい」。最初のSG、全日本選抜ではしっかりと優勝戦に進出し、凖Vと好走した。目標達成に向けて上々の滑り出し。一皮むけた男が、オートレースを盛り上げる。

 ◆荒尾聡(あらお・さとし)1981年(昭56)6月28日、福岡県生まれ。01年ビューの27期。02年にデビュー最速記念優勝(17カ月12日目)、同年には2級車レコードの3秒332も記録した。グレード戦優勝は、SG2回、G19回、G27回。趣味はゴルフ。家族は妻と男児2人。5歳と2月に1歳になる子供は「かわいいし癒やされる」。自宅でリフレッシュしてレース場入りする。