4月のボート界は、ベテランたちが「匠(たくみ)の技」を存分に発揮する、プレミアムG1第22回マスターズチャンピオンが、20日から初のナイター戦として山口・下関ボートで開幕する。マスターズ開幕直前コラム連載では、大会注目選手2人と、初日ドリーム戦展望をお届けする。注目選手の1人目は、昨年大会の覇者・村田修次(47=東京)だ。

<注目選手(上)>

村田は初出場だった昨年の津大会、優勝戦1枠からコンマ02の電撃スリットで逃げ切り、第21代「名人」の称号を手にした。46歳の優勝はマスターズ最年少記録だった。今年は史上初の大会連覇を目指す。

大会の複数回制覇は、昨年引退したレジェンド今村豊氏が最多3度、第1回覇者の高山秀則氏(引退)が2度の記録を持つが、連覇はまだない。村田は昨年の優勝も「自分なんて、たまたま」と謙遜する。だが、若手の頃からペラ調整の技術の高さで一目も二目も置かれていた。それが2度目のG1制覇に結実した。

久々のSG出場となった3月の福岡クラシックは、評判エンジンを引き当てたものの、予選途中で負傷し帰郷。しかし、その時に「自分はエンジン素性に頼るのでなく、乗り心地を重視してペラを合わせるタイプ。合わせられれば、レースもしっかりできる」と再確認した。舞台の下関は約1年10カ月ぶりになるが、優勝経験もあり問題ない。史上初の連覇へ。今年も村田の巧技に期待したい。【中川純】

※明日は「注目選手・下」