日刊スポーツ新聞社制定「第35回競輪年間三賞」の受賞者が決定した。MVPに相当する殊勲賞は、KEIRINグランプリ(GP)を制し、史上9人目(10例目)の年間獲得賞金2億円を突破した古性優作(30=大阪)が初めて手にした。

大阪勢として初の三賞受賞、しかも殊勲賞に輝いた古性優作は「本当ですか!?」と声を強めた。尊敬する村上義弘や、初のG1制覇となったオールスター決勝で前を任せた脇本雄太も手にしたMVP。「実力がないなりに信念を持ってやってきたことが実って、すごく光栄です」と素直に喜びを口にした。

21年はいわき平オールスターで初めてG1タイトルを手にすると、GPも制して輪界の頂点に立った。福井G3も勝ち、松阪G2ウィナーズカップでは決勝2着とコンスタントに活躍。獲得賞金は2億円を突破し、常に冷静で展開に応じた自在な運びに磨きがかかった1年だった。

それでも古性に油断はない。年始2日に岸和田競輪で出演した公開中継では「あらためてグランプリの出場選手は(みんな)強かったと思う」と話した。出演後にも「勝てたのは展開が向いたからで、自分が一番強い選手になったとは思っていない。他の8人は素晴らしく強かった」と謙虚だった。GP覇者として今年は全レースで1枠1番車となるが「自分のレースをしっかりして、いつも通り走れるように」とあくまで平常心。22年も古性は、おごることなく進化を続ける。

 

◆古性優作(こしょう・ゆうさく)1991年(平3)2月22日、大阪市生まれ。清風高卒。競輪学校(現養成所)100期生として11年7月に地元岸和田でデビューして完全V。昨年8月のいわき平オールスターでG1初優勝、GPも制して賞金王に輝いた。通算886戦266勝、通算獲得賞金は5億75万8700円。168センチ、77キロ。血液型O。