何かが、背中を押していた。石井貴子(33=千葉)が2着に入った。バックまくりは不発になりながら、勝った石井寛子を懸命に追った。最後は外の梅川風子をゴール寸前、執念でかわした。

7月の前橋で、約4カ月ぶりに復帰した。練習中の落車で左鎖骨、肋骨(ろっこつ)、肩甲骨を骨折。「気持ちも折れた」ところから、はい上がってきた。レース後は時折涙をこらえつつ「走っていない期間もあったのに、今回は戻っておいで、走れと言っていただけているんだ、と思って走りました。声援も『ああ、すごいな』と。今回は、現状の力プラスアルファで、最後は気持ちで走りました」とファンへの感謝を口した。

レース後は、左鎖骨のプレート除去手術を行うと打ち明けた。「今回はお守りと思って一緒に走りました。このあと入院して取ります」と少しだけ笑みを浮かべた。1歩ずつ、少しずつ…。この歓声を再び浴びるために戻ってくるはずだ。