目指すはオールスター。北海道出身女性初のオートレーサー北市唯(19=浜松オート-札幌静修高)が、5月23日から4日間開催された「浜松アーリーレース」で、25、26日の一般戦で2日連続1位となり、通算勝利数を6に伸ばした。今年1月にデビューしたばかり。過去と現在地、未来について聞いた。【取材・構成 中島洋尚】

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コーナーでインを突かれるたび、愛車のドサンコ号でライバル車の前をふさぎ、引き離す。5月25日は1番人気、翌26日は2番人気で、ともに逃げ切り勝ちした。先輩レーサーとのハンディ差が大きく有利な面はあるが、初レースから約5カ月で、北市は急速な成長を遂げてきた。

北市 今は伸びしろしかないので、練習ばかりしています。頑張って早くうまくなりたいって、今めちゃくちゃ思ってます。フォームは悪くないと言われていますので、コーナースピードが速い、今のバイクの性能を生かせるコース取りを教えてもらっています。

10歳の時、父剛久さん(57)に連れられて行った、南幌リバーサイドカートランドで、初めてミニバイクに乗った。中2からレースに出場。「2位が多かった」(北市)というが、進路選択を迫られた高3の4月にオートレースの存在を知り受験を決めた。約23倍という合格率の試験に挑むため、半年間キックボクシングで体力づくりをした。

北市 (サーキットでの)ロードレースでは食べていけませんが、「レーサーとして食べていきたい」と思っていたタイミングで、オートレースのチラシを見て、興味を持ちました。両親は全く止めませんでした。逆に(受験を)勧められましたよ。

合格後9カ月間の研修期間中は携帯電話が使えず、テレビもない部屋で生活を送った。エンジンは走りながらクラッチとアクセルを微妙に調整し、押しがけする。失敗すればバイクだけが先に行ってしまうため、体力も神経もすり減った。練習の最後は10キロの防具を着ての押しがけがあり「手の感覚がなくなった」という。大声を出しながらレース場の走路500メートルを男子と同じ速さで7周ランニングするなど、厳しいトレーニングを耐え抜き、今年1月の初レースを迎えた。

北市 デビュー戦はめっちゃ緊張しました。今までのオートレースは自分のためだけだったので、自分の走りに「お金をかけているお客さまがいる」と思うと緊張しました。無事に完走できて良かったと思います。同期(37期)がみんな強くて、もう(開催の)優勝を2回している選手が3人もいます。初日に勝てないと、(最終日の)優勝にはたどりつけないので、今は初日に合わせる練習をしています。

今後の目標には、元SMAP森且行(50)らも出場したビッグレースを挙げた。

北市 オールスターに出たいですね。だんだん速くなって、まずは同期に追いつかないと。今年中に優勝してみたい気持ちはありますが、ハンディは確実に減らしたい。女子の中では絶対に1番とりたいですね。ちゃんと活躍して、北海道の人に、オートレースを知ってもらうきっかけになって欲しいなって思います。

◆北市唯(きたいち・ゆい)2004年(平16)6月29日、札幌生まれ。札幌西岡小4年でバイクのロードレースを始めた。中学時代はソフトテニス部。19年「CBR250Rドリームカップ」北海道エリアポイントランキング3位。趣味はドライブ、モータースポーツ。158センチ、47キロ。家族は両親と姉、兄。