降格危機にある横浜F・マリノスの戦いを象徴する記録かもしれない。今季はリーグ最多の43得点を挙げているが、2ケタに到達したFWウーゴ・ヴィエイラを筆頭に18人がゴールをマーク。1チームのシーズン最多得点人数は、00年川崎フロンターレと06年FC東京の20人で、今季の横浜の18人はJ1史上3位タイの多さとなる。ただ、その多さと成績は比例せず、00年の川崎Fは年間16位でJ2に降格。06年の東京も13位に終わっている。

低迷の理由は明白だ。守備が安定せず、失点はリーグワースト2位の46点。攻守のバランスの悪さが際立つ。シーズン中の移籍、加入の多さも影響しているのかもしれないが、得点者の多さが逆に、骨格が定まらないチーム状況を示しているかのようだ。

ワールドカップ(W杯)ロシア大会では、98年大会から5大会連続で日本代表を輩出してきたチームの伝統が途切れた。さらに今季は、初のJ2降格危機。12年にはリーグ最多得点だったガンバ大阪が初めてJ2に降格した。ワースト2位の失点数が影響した。今季の横浜は、12年のG大阪と重なるが…。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)