Jリーグは26日にJ1の川崎フロンターレ-横浜Fマリノス(午後6時、等々力)の神奈川ダービーで、29年目のシーズンが開幕する。

注目は川崎Fの新エースMF三笘薫(23)。大卒1年目の昨季は13得点12アシストをマークし、大きなインパクトを残した。今シーズン最初の公式戦だった20日の富士ゼロックス・スーパー杯ガンバ大阪戦でも切れ味鋭いプレーで2得点。「2年目のジンクス」など関係なく、さらなる飛躍を予感させた。

もっとも、Jリーグではプロ野球と違い「2年目のジンクス」という言葉を聞かない。そもそも「ルーキー」の基準自体があいまいで、MF久保建英(現ヘタフェ)などはユース年代(2種登録)からトップチームで活躍し、特別指定選手として大学在籍時にJリーグの公式戦に出場する選手も増えているからだろう。

それでも三笘のように「新卒」でJ1年間10ゴール以上を記録した選手は過去に5人だけ。その翌年の成績は以下の通りとなる。


◇城彰二(市原)94年33試合12得点→43試合14得点

◇渡辺千真(横浜)09年34試合13得点→24試合8得点

◇金園英学(磐田)11年28試合12得点→5試合1得点

◇武藤嘉紀(東京)14年33試合13得点→17試合10得点

◇三笘薫(川崎F)20年30試合13得点→?


相手のマークがさらに厳しくなり、研究もされる2年目も10ゴール以上を挙げたのは城と武藤の2人に絞られる。特に武藤はシーズン途中でブンデスリーガのマインツに移籍した中での記録だった。

今季の三笘も日本代表経験者2人に続く史上3人目の「新人年から2年連続2桁得点」の期待が懸かる。


○…「2年目のジンクス」のようなものに苦しんだ選手もいる。その理由は主にケガ。プロ1年目の11年に12得点をマークした金園は、その活躍が評価されて12年2月に日本代表に初選出されたが、その合宿中に負傷。結局5試合1得点に終わった。また、2桁得点には届かなかったが、高卒1年目で27試合9ゴールと活躍した98年の浦和MF小野伸二も翌年は14試合2得点。ケガでシーズンの半分以上を欠場し、その離脱が影響してか、99年の浦和はJ2に降格した。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)