東京オリンピック(五輪)サッカー男子代表は22日に1次リーグA組初戦で南アフリカと対戦する予定になっている。短期決戦となる五輪において初戦は非常に重要。ここで勝ち点3を取るか取らないかが決勝トーナメント進出だけでなく、メダルの行方を大きく左右する。

現行の大会方式(勝利の勝ち点が2→3)となった96年アトランタ五輪以降、白星スタートは延べ29チーム。そのうち決勝トーナメントに進出したのは24チームで、白星発進の1次リーグ突破率は82・8%にもなる。日本も8強入りした00年シドニー五輪、4位となった12年ロンドン五輪では初戦を制して勢いに乗った。

一方、黒星スタートで決勝トーナメントに進出したのは29チーム中5チームだけ。その突破率は17・2%にとどまる。引き分けスタートは38チーム中19チームで、突破率は文字通り五分の50%となる。

黒星スタートから巻き返して決勝戦の舞台に立ったチームはなく、自国開催で金メダル獲得を目標に掲げる日本としては初戦から集中して臨む必要がある。


<初戦の成績別1次リーグ突破確率>

○=82・8%(24/29)

△=50・0%(19/38)

●=17・2%(5/29)


<白星発進ながら1次リーグ敗退の5チーム>

96年 韓国○△●

96年 日本○●○

08年 米国○△●

12年 ウルグアイ○●●

12年 ベラルーシ○●●

このうち初戦でブラジルに勝利し「マイアミの奇跡」を起こした96年アトランタ五輪の日本だけが2勝しながら1次リーグ敗退。この他、2勝での1次リーグ敗退は00年シドニー五輪の韓国(●○○)がある。


<黒星発進で1次リーグ突破の5チーム>

96年 ガーナ●○△

96年 ブラジル●○○

08年 コートジボワール●○○

08年 ベルギー●○○

12年 エジプト●△○

初戦黒星後の2戦目以降で勝ち点4以上を獲得している。勝ち点3以下で決勝トーナメントに進出したチームは過去にない。


<メダル獲得国の1次リーグ初戦>

96 金 ナイジェリア○

〃 銀 アルゼンチン○

〃 銅 ブラジル●

00 金 カメルーン○

〃 銀 スペイン○

〃 銅 チリ○

04 金 アルゼンチン○

〃 銀 パラグアイ○

〃 銅 イタリア△

08 金 アルゼンチン○

〃 銀 ナイジェリア△

〃 銅 ブラジル○

12 金 メキシコ△

〃 銀 ブラジル○

〃 銅 韓国△

16 金 ブラジル△

〃 銀 ドイツ△

〃 銅 ナイジェリア○

1次リーグの初戦で敗れたチームが決勝の舞台に立ったことはない。黒星スタートで銅メダル獲得は96年アトランタ五輪のブラジルのみとなっている。


◆東京五輪サッカー男子の大会方式 1次リーグは16チームが4組に分かれて行い、各組上位2チームが準々決勝に進む。各組の順位は(1)勝ち点(2)得失点差(3)総得点の順で決め、それも並んだ場合は当該チーム間の勝ち点、同得失点差、同総得点、全試合の反則ポイント、抽選の順で決める。準々決勝からは90分で同点の場合、30分(前後半各15分)の延長戦を行い、それでも決着がつかない場合はPK戦を行う。


(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)