柏レイソルのネルシーニョ監督(71)が史上4人目、外国籍監督では2人目のJ1監督通算200勝にあと1勝としている。16日の清水戦で4試合ぶりの白星を挙げ、通算437試合199勝82分け156敗。71歳2カ月での勝利は自身の持つ最年長記録を更新した。次節22日の浦和戦に勝って大台到達となれば、外国籍監督では札幌のペトロビッチ監督の441試合目よりも速い438試合目での達成となる。
95年にV川崎(現東京V)で初めてJリーグのクラブを率い、以降は名古屋、柏、神戸と計4クラブを指揮。Jリーグを最もよく知るブラジル人指揮官は、柏でJ2を2度制し、11年に史上初めてJ1昇格初年度優勝。12年度に天皇杯、13年にナビスコ杯(現ルヴァン杯)と3年連続で国内主要タイトルを獲得した。
その采配の特長は、試合中の動きの少なさにある。まさに「不動心」。今季も交代枠最大5人を使い切るケースは少なく、延べ出場人数480人はリーグ最少。通算437試合で選手交代を行わなかった90分試合は12戦全勝だ(最多524試合の西野監督は3勝1敗)。
「準備」という言葉をよく使い、「常に最善の準備をして努力を怠ってはいけない」と、勝つためにトレーニングを繰り返す。対戦相手を徹底分析した上で先発11人を送り出し、戦前のプラン通りに進める。ゆえに、試合中のテコ入れは必要最小限にとどまるというわけか。
ワールドカップ(W杯)では10年大会のギリシャ代表レーハーゲル監督の71歳10カ月が最年長記録として残る。Jリーグ最年長71歳2カ月のネルシーニョ監督もまだまだ健在。今季は昨季得点王のFWオルンガの移籍が響き、一時はJ2降格圏の18位に低迷したが、それでも動じることなく、きっちり巻き返し、J2降格圏との勝ち点差を9に広げている。
〈J1監督通算勝利数5傑〉
1 西野朗 270勝91分け163敗
2 長谷川健太 217勝113分け144敗
3 ペトロビッチ 215勝111分け156敗
4 ネルシーニョ 199勝82分け156敗
5 トニーニョ・セレーゾ 141勝47分け84敗
【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)