南野の球離れの速さがチームの攻撃をスムーズにした。日本は15日のタジキスタン戦でボール保持率60・2%の高い数字を記録したが、サッカー分析会社「データスタジアム」の統計によれば、2ゴールを挙げるなど圧倒的な存在感を示した南野のボール保持時間は、意外にも先発フィールド選手では最短の「29秒6」だった。前線でボールを収めてタメを作る大黒柱のFW大迫とは違うプレーで目に見える結果を残した。

味方のクロスに1タッチで合わせた後半の2得点に象徴されるように、シンプルなプレーで攻撃をけん引。前線で巧みにパスを引き出してはさばき、そして敵陣ペナルティーエリアに侵入する。ボール保持時間は意外にも短かったが、同エリアでのプレー数はチーム最多の8回を数えた。

絶対エースの大迫が不在の中、後半からは1トップでプレーしたが、大迫の直近の出場試合(9月10日ミャンマー戦)のボール保持時間「37秒7」と比較すると、その違いがより明らかになる。南野の総パス数に占める1タッチパスの割合はチーム最高の45・5%。機動力抜群のアタッカーが、森保ジャパンの新たな1トップ像を示した。

15日、タジキスタン戦の後半、ゴールを決めガッツポーズする南野
15日、タジキスタン戦の後半、ゴールを決めガッツポーズする南野