今季のJ2アルビレックス新潟は、昨季と比べて敵陣ペナルティーエリアの脇を突いた攻撃が目立つ。「ニッカンサッカー」サイトのデータによると、第2節終了時点でクロス数はリーグ最多の54本。1試合平均は27・0本で、リーグ11番目だった昨季の15・2本を大きく上回る。ホーム初戦となった5日の第3節レノファ山口FC戦、1-1で引き分けたが、MFシノヅカとMF本間が両サイドを切り崩して再三のクロス。ピッチの幅を利用して仕掛け続けた。

今季J2新潟のFWとMF登録の身長
今季J2新潟のFWとMF登録の身長

そのクロス攻撃は昨季よりも洗練された印象。ただ、前線は小兵選手が多く、180センチ以上のMFとFWは1人もいない。平均171センチ。浮き球のクロスは180センチ台のDFを最終ラインに3人そろえた山口に対してゴールには直結しなかった。カウンターから同点ゴールを決めた本間のドリブル突破など地上戦では良さを発揮したが、敵陣での空中戦は分が悪かった。

新加入が決まったFWアレクサンドレ・ゲデス(20年撮影)
新加入が決まったFWアレクサンドレ・ゲデス(20年撮影)

3日、そのクロス攻撃の実効性を高めてくれそうな選手の加入が発表された。185センチのポルトガル人FWゲデスが3月下旬からチームに合流する予定となった。J1仙台に在籍した20年には空中戦で強さを見せ、26試合5得点。今季のチームは弱点解消に打つ手が早い。【石川秀和】