MF星が2-0で勝った18日のホーム水戸戦で今季初ゴールを決めた。これで今季の得点者はクラブの年間最多をさらに更新する19人目。今季の総得点数も66点となり、仙台の65点を抜いて今季のJ2で単独トップに浮上した。2桁得点者はまだいないものの、どこからでも点を奪えるのが今季のチームの強み。これまではブラジル人FW1人で20点以上を挙げるようなシーズンもあったが、今季はいわゆる「助っ人」に頼ることなく、チーム全員でゴールを目指している。

「走って、汗かいて、外国人に頼るという流れだけでは上に行けない」(寺川強化部長)というのがチームの強化方針。もちろん、マルクス、エジミウソン、マルシオ・リシャルデス、ラファエル・シルバ、レオナルドなどのような優良ブラジル人アタッカーがいるに越したことはない。

だが、そうした絶対的な存在がいないことで競争意識も高まり、その中でもチームは一致団結。星が「遅くなってしまったけど、1点挙げられてよかった」と話していたように、日替わりでスターが誕生して残り5試合で首位に立つ。

ただ、絶対的なエースFWがいる上で誰もがゴールを奪えるのが理想。この日は2年連続2桁得点を狙うFW谷口にも約3カ月ぶりとなる今季8点目が生まれた。谷口にはさらなる奮起を期待してデータを1つ。

J2が現行の年間42試合制となった12年以降、2桁得点者なしで優勝したチームはない。2位でのJ1昇格も日本代表MF遠藤航(現シュツットガルト)を擁した12年の湘南だけとなっている。【石川秀和】