その「速攻」がチームに勢いをもたらした。20歳のアルビレックス新潟MF三戸舜介は世代別日本代表としての活動や負傷離脱した時期がありながらも6得点。本人は「思っていた点数ではなかった」と言うが、20歳以下の選手に限れば今季J2最多。堂々の「U-20得点王」だ。

若きアタッカーは3-0で快勝した5月21日の横浜FC戦でクラブの日本選手最速となる開始30秒でゴールを決めるなど、6点中3点が先制点。得点した5試合でチームは全勝だった。

24年パリオリンピック(五輪)でも活躍が期待される逸材。今年6月にはU-23アジア杯のメンバーに選出され、大会通算4試合に出場して3位入賞に貢献した。世代別日本代表の中でもアジア杯のような公式戦のメンバーに選ばれる選手は限られ、五輪代表争いの最前線にいる。

来季からJ1の舞台に立つことで、そのスピードとドリブル、左右両足遜色ないミドルシュートはこれまで以上に注目を集めそう。声出し応援が解禁されてから最も多く歌われたのは三戸のチャントではなかったか。それだけ数多くの決定機に絡んだということだが、2得点を挙げた最終節の町田戦では「ハットトリックできたと思うし、もっと自分のプレーを見つめ直さないといけない」。新潟の新エースとして、さらなるステップアップが期待される。【石川秀和】

9月14日のアウェー甲府戦でゴールを決める三戸(左)
9月14日のアウェー甲府戦でゴールを決める三戸(左)