2試合連続の120分間の死闘の末、日本は初の決勝進出を逃した。元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(57)は、両国の差はわずかだったと残念がったが、ピッチ全体を使ったスペインの攻撃をポイントに挙げた。

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延長後半に失点した時間帯は、日本側にPK戦のことが少しは頭によぎったのかもしれない。延長前半に前田が決定機を迎えたように、日本は仕留める機会はあったし、120分間で勝つような仕掛けがもっと必要だった。

逆にスペインはパスミスも少なく、日本から球を奪うと、その球を奪い返されることがほとんどない。ピッチ全体を使う、日本が本来は目指すべき攻撃の姿だった。この敗戦に学ぶことは多い。あと、スペインにあって日本にないものは遅攻の正確性、確実性だ。中央で崩せる技術をもう1段階、高めてほしい。

メキシコとの3位決定戦は、互いに体力の消耗が激しく、90分以内、特に後半で決着をつけないといけない。1次リーグでの対戦では、守りの意識になった終盤に苦戦した。スペイン戦では守備陣の奮闘が際立っただけに、今度は攻撃陣が仕留める意識を前面に出してほしい。(日刊スポーツ評論家)

日本対スペイン 延長後半、アセンシオにゴールを許すGK谷(右)(撮影・河野匠)
日本対スペイン 延長後半、アセンシオにゴールを許すGK谷(右)(撮影・河野匠)
延長後半10分 スペイン・アセンシオの決勝ゴール
延長後半10分 スペイン・アセンシオの決勝ゴール
サッカー男子決勝トーナメント勝ち上がり
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サッカー男子準決勝 日本対スペイン戦スタメン
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