日刊スポーツ評論家のセルジオ越後氏(77)は、コスタリカ戦で「個の力の問題」を指摘した。その上で、1次リーグ最終戦となる12月1日スペイン戦(日本時間2日)では、ドイツから金星を挙げた初戦の再現を求めた。

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今日の試合は引き分けならまだ良かった。勝ち点4になるからね。でもドローにすらできなかったのは痛い。日本は勝ち点3のままで本当に苦しくなった。1次リーグ突破に黄信号がともったと言っていい。

今日のスターティングメンバーがどうしてああいうふうになったのか。悔いが残るよね。結果的に点が取れなかったからね。森保監督は最近、選手起用や戦術の変更がパターン化しているから、そのパターンのうちの1つなのかもしれないけど、今日はうまくはまらなかったね。

向こうのゲームプランである「守って守って少ないチャンスを生かす」という、日本がドイツとやった時と同じ作戦にやられてしまった。コスタリカのように引いた相手には、練習試合でもアジア予選でも苦戦していたというのに。その苦手な部分が今日もまた出てしまった。ドイツは日本に引かれても、日本のDF陣を脅かしてある程度チャンスを作っていたけど、今日の日本はそれがなかなかできなかったね。

とにかく点が取れないのは問題だ。前半は展開力も少なくて、シュートも少なかった。相手がボールを回しているのを見ているだけだった。ドイツ戦では後半に選手をどんどん出すという采配が当たったけど、今日は同じことをやっても点は取れなかった。

やっぱり個の力の問題じゃないかな。ドイツはコスタリカのように引いていない。だからDFの裏にボールが出て、良いリズムができた。でも今日はDF裏にほとんどスペースがなかった。日本にはそこを打開できるだけのものがなかったね。

スペイン戦では、またドイツ戦と同じ作戦で戦うしかないよ。勝ちにいって、最初から攻める姿勢を見せて、逆に点を取られたらいっそう苦しくなるからね。特に前半はドイツ戦と同じ「かろうじて勝つ作戦」になるんじゃないかな。攻めて勝ちにいくのは今日の試合だけだったと思うよ。(日刊スポーツ評論家)

日本対コスタリカ 試合後、スタンドにあいさつする森保監督(撮影・横山健太)
日本対コスタリカ 試合後、スタンドにあいさつする森保監督(撮影・横山健太)