日本対エルサルバドル 前半、ロドリゲスに倒された上田(右)はPKをゲット(撮影・狩俣裕三)
日本対エルサルバドル 前半、ロドリゲスに倒された上田(右)はPKをゲット(撮影・狩俣裕三)

前半3分にレッドカードが出された瞬間、相手監督よりも森保監督の方がショックだったんじゃないだろうか。

英国人主審は、真面目すぎたね。このイベントの意味がまるで理解できていない。ゲームコントロールの権利を持っている主審として、自分の役割を全うしたとは思うが、前半早々に相手1人を退場にしたのは、日本も望んでいない。残念ながら、その時点でこの試合の意味がなくなってしまったね。むしろ、日本が1人退場になって10対11で戦った方が、経験を積む上ではよかったかもね。

選手に責任はないけれど、この相手に数的有利な試合で評価をつけるのは難しい。代表デビューした選手、初ゴールを記録した選手、久々に得点した選手、攻撃面で持ち味を出してくれた選手など、記録上は派手な数字が残ったが、森保監督らコーチングスタッフが今後の判断材料にはしづらいだろう。お祭りでファンを喜ばせ、W杯で頑張ったご褒美として捉えるくらいでいいんじゃないかな。

レッドカード1枚で、森保監督の構想も狂ったのだろう。早々と選手交代して、20日のペルー戦に備えた印象だな。その中でもDF菅原と森下、MF旗手は目立っていた。この経験の浅い3人が続けて結果が出せるか。強化よりイベントで1試合を終えてしまったわけだから、ペルー戦に期待するしかないね。

最後に日本サッカー協会に言いたい。今は、IMD(国際マッチデー)に、各大陸の公式戦が組まれることが多く、マッチメークは難しいのは分かっている。その中で、ちゃんとした強化試合を組みたいなら、外国チームを呼ぶ時、決められた対戦報酬ではなく、勝ち、分け、負けで報酬を決めるなど、工夫をしていかないといけない。この日のエルサルバドルが決められた報酬をもらって帰国すると思うと、腹が立って仕方ない。(日刊スポーツ評論家)

日本対エルサルバドル 後半、森保監督(右)は交代した久保を出迎える。左は名波コーチ(撮影・垰建太)
日本対エルサルバドル 後半、森保監督(右)は交代した久保を出迎える。左は名波コーチ(撮影・垰建太)