サッカー日本代表(FIFAランキング17位)が14日、アジアカップ(アジア杯)カタール大会の1次リーグ初戦で、元監督フィリップ・トルシエ氏(68)率いるベトナム代表(同94位)と対戦。南野の2ゴールなどで4得点を挙げ、幸先良く白星スタートを切った。

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「初戦は難しい」。凡戦をいいわけするには、持って来いのキャッチフレーズだな。相手だって初戦だぞ。前半、先制しながらセットプレー2本で一時逆転された。初戦だからか? 特に2失点目。相手の長身選手は1人しかいないのに、その選手に競り負けて失点した。聞きたいよ。2戦目なら止められたかな?

前半のうちに逆転して、後半は楽に得点できると思ったが、なかなかゴールが入らない。相手は前半35分すぎには足が止まっていたぞ。長い距離は走れなかったし、足をつる選手もいた。それでも4点目を奪うのに、時間がかかりすぎた。

「いい守りからいい攻撃」。これは森保ジャパンのキャッチフレーズ。相手が攻めてこないからいい守りは存在しなかった。いい守りが消えて、いい攻撃もできなくなったのかな。ワンパターンでメリハリのない攻撃。この代表がダメな時のパターンが、この日も出てしまったね。

特に左からの攻撃が機能しなかったね。途中から伊東を左に回したが、破壊力がない。三笘の復帰を待つしかないのかな。これまでファーストチームとセカンドチームがそれぞれ結果を出して連勝してきて「選手層が厚くなった」と評価された。でも三笘1人いないだけで、攻撃が限られると、本当に選手層が厚くなったとは言えないだろう。

本当のアジア杯は、決勝トーナメントから。1次リーグ3試合はピッチと気候に慣れるための試合。情けない内容はもういいよ。頼むから、もう2度と変なキャッチフレーズで惑わさないでくれよ。(日刊スポーツ評論家)

日本対ベトナム 前半、ベトナム代表のファム・トゥアン・ハイにゴールを決められ、厳しい表情の森保監督(左から2人目)(撮影・足立雅史)
日本対ベトナム 前半、ベトナム代表のファム・トゥアン・ハイにゴールを決められ、厳しい表情の森保監督(左から2人目)(撮影・足立雅史)