楽しい楽しいボール回しゲームだったな。1タッチ、2タッチでボールが回る。ミスしても、相手もすぐにミスしてくれるから、またボールが持てる。ゴール前のちょっとしたミスで点が入らなくても、ドンマイだ。笑顔で惜しがる。パスがずれても大丈夫。相手のパスもずれるから。

この日のスタメンで、完全なレギュラーはMF遠藤とDF冨安の2人だけだよね。他の選手はせっかくもらった機会を生かさないといけないのに、ミスしてヘラヘラ笑ってちゃダメだろう。2年後に迫ったW杯北中米大会のキックオフの笛は、ベンチに座って聞くことになるんだぞ。自宅のテレビの前かな。

危機感も必死さもない。確かにインドネシア戦は、トーナメント進出にあまり意味のない試合ではある。いわゆる消化試合に近いものだ。勝って1位になるわけではないし、得失点差が影響するものでもない。でもサブ組には大きな意味のある試合なのに、楽しくボールを回して、笑顔を見せるとはどういうことなんだ? チャンスが何度も来てくれると思ったら大間違いなんだぞ。

この試合が午後8時半キックオフだったからよしとして、夜中に起きてこんな試合を見せられたら、怒るぞ。しかも終盤には最も警戒していたロングスローから失点もしている。地上波のテレビ放送が手を出さないのも納得だね。次からはトーナメント。リーグ戦と違って、1失点が命取りになるぞ。それにしても、3試合5失点は気になるね。(日刊スポーツ評論家)

日本対インドネシア 前半、競り合う旗手(左から2人目)。左は遠藤(撮影・足立雅史)
日本対インドネシア 前半、競り合う旗手(左から2人目)。左は遠藤(撮影・足立雅史)