J2は残り2試合となった。どんな劇的なドラマが待っているのだろうか。J1自動昇格圏2位長崎を勝ち点2差で追う4位福岡には、何とか意地の2連勝でリーグ戦を盛り上げてもらいたい。優勝を決めている首位湘南に2-0で快勝した11月5日。ここ最近では攻守に安定感を示した、いい試合だった。2位をキープしていた時点でこのような力を発揮していれば…と感じている。

 そんな中、次節11月11日のホーム松本戦(レベスタ)でキーマンとなるのは、現在得点ランク4位タイ18得点のFWウェリントン(29)だろう。ウェリントンは10月22日のホーム千葉戦でまさかのPK2本を失敗。その影響もありチームは0-1で痛恨の完封負けを喫した。ウェリントンは10月28日東京V戦(味スタ)も、退場処分の影響で出場できなかった。だからこそリベンジの思いが強い。

 人生で初めてというPK2本を外し、さすがに「最初の2日間は気持ちがつらく、落ち込んだ」と言う。だが「この順位にいるのはウェリントンが点を取ってくれたから」などチームメートの励ましで立ち直った。そして11月5日湘南戦は古巣相手に先制弾を押し込み「正直ホッとした」。それだけに「1試合1試合決勝のつもりで臨む。他力だが勝利以外ない。引き分け、負けでは自動昇格の道が途絶える。残り2試合、気持ちで負けない」と意気込んでいる。

 1年でのJ1復帰を目指して福岡は、近年最強とも言える大型補強で勝ち点84の目標を立てて今季に臨んだ。残り2戦で不本意な4位と苦しむが、まだまだ勝負はこれからだ。【菊川光一】


 ◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグなど一般スポーツを担当、プロ野球等のカメラマンも兼務する。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。