今年はW杯イヤー。J1のリーグ戦は5月末からリーグが約2カ月、中断する影響もあり日程がハードだ。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場チームは、さらに長距離移動の負荷がかかる。鹿島アントラーズと川崎フロンターレは、3月7日から13日まで、中2日の3連戦。その上にオーストラリアへの往復21時間の移動を強いられる。川崎Fは、10日のガンバ大阪戦の試合終了直後に空港へ向かい、試合当日にオーストラリアのメルボルン・ビクトリー戦の遠征に向かうハードスケジュールだ。まさに、スタジアムからの「飛びだし」だ。

 ACLは、リーグ戦の上位と天皇杯覇者が出場する名誉ある戦いの場だ。だが、毎年、国内リーグの日程との兼ね合いで超過密スケジュールとなり「ACL出場が罰ゲームみたいになっている」との声が漏れる。今季のJ1の最終節は12月1日。開幕は2月23日だった。日程緩和を鑑み、せめて最終節を1週遅らせる、または開幕を1週早めるという判断はできないか。調べてみると、最終節を遅らせれば、その後にクラブW杯が控えているため厳しいという。開幕を早めれば、1月1日の天皇杯からのオフ、準備期間が短くなるためこちらも苦しいそうだ。前も後ろも余裕がないのが現状だ。

 他の主なアジアの地域の1部リーグの参加クラブ数を見ると、オーストラリアは10、中国は16、韓国は12。日本は18クラブである。日本はその分、国内のリーグの試合数が多くなり、日程がハードになるのは必然だ。日程を緩和するためには、天皇杯決勝を12月下旬に設定する、もしくは、J1のクラブ数を少し減らす必要が出てくる。

 1月に日本代表のアジア杯が控えている年度は、過去に天皇杯決勝が12月に開催され、今年度も12月24日だ。あくまで個人的な意見だが、リーグ戦とACLを万全なコンディションで迎えるために、J1のクラブ数の見直しと天皇杯決勝の12月下旬の設定を考える時期に来ているのかもしれない。

 ◆岩田千代巳(いわた・ちよみ) 1972年名古屋市生まれ。95年に入社し、芸能で音楽を担当。12年から静岡支局で磐田、15年にスポーツ部で川崎F、湘南、大宮を担当。