コンサドーレ札幌を取材していて今、一番ワクワクさせてくれる選手がいる。FW都倉賢(31)だ。キャッチーなワードで報道陣の心をわしづかみにする。

 4月13日、空港へ移動するバスに乗りこむ前に話を聞いた時だった。翌日14日アウェー柏戦は、都倉にとってはJ1出場通算100試合目。前節まで2戦連発で好調だったストライカーは「ちょうどいいっすね。“節目がち”なので」とニヤリと笑った。“伏し目がち”とは反対の真っすぐな目で自信をのぞかせて口にするから、よりおもしろい。前節でチームのJ1通算50勝目をたぐり寄せるゴールをロスタイムに決めたばかりで、節目には縁を感じているのだ。

 チームはこの時点でJ1アウェー通算100得点まであと2点に迫っていた。やはり、機転が利く。「2点目を取ればいいんですね」とドヤ顔を見せた。欲張って「2点決めます」とは言わないが、メモリアル弾は譲らない。「その方が記事にしやすいですよね」の言葉に、思わずうなずいてしまった。

 柏戦は2-1で勝利した。決勝の2点目を決めたのは、都倉だった。自身にとっての記念ゲームで、有言実行を果たしたのだ。5月5日ホームG大阪戦で自身のJリーグ通算100ゴール目をオーバーヘッド弾で飾った。プレーでも楽しませてくれている。節目や記録がかかると、その期待に応えてくれる頼もしい背番号9から、目が離せない。

 ◆保坂果那(ほさか・かな)1986年(昭61)10月31日、札幌市生まれ。13年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、16年11月からプロ野球日本ハム担当。17年12月からコンサドーレ札幌担当。