<高校サッカー:四日市中央工1-1(6PK5)履正社>◇5日◇準々決勝◇浦和駒場

 履正社(大阪)にとって悪夢のロスタイムだった。1-0で迎えた後半40分すぎ。GK安川魁(2年)が1度はずんだFKをキャッチしきれず、こぼれ球を押し込まれPK戦に持ち込まれた。PK戦では意地で2本を止めたが、国立への切符は逃げていった。「最後に硬くなった。自分のミスで負けて悔いしか残っていない。FKはニアに選手が殺到し焦ってしまった」とバスに乗り込んでも涙は止まらなかった。

 創部11年目の初出場でベスト8に導いた平野直樹監督(48)は四日市中央工OB。「わが四中工。簡単には勝たせてくれない」と振り返った。監督自身も高校時代、ベスト4に進出したが、ラグビーの大学選手権の関係で国立ではなく駒沢での開催だった。「子供たちと一緒に行きたかった」と冷静な口調の中にも、悔しさをにじませた。