東京オリンピック(五輪)期待の星がU-22(22歳以下)日本代表に飛び級で選出された。日本サッカー協会は14日、U-23アジア選手権予選(ミャンマー、3月22日~26日)へ向けたU-22日本代表を発表し、17歳の東京MF久保建英が選出された。今季は開幕から好調を維持しており、プレ五輪イヤーの1発目となる代表活動でも存在感を見せつける。

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東京五輪でのメダル獲得を目指すチームの一員として、久保が五輪前年の1発目となる活動に名を連ねた。A代表と兼任する森保監督は「Jリーグでスタメン、A代表で活躍している選手でないと(メダルは)難しい」と五輪世代へさらなる奮起を求めている。久保は「何試合も定着できるようになったら話は変わる。そういう(定着した)選手がコメントをするべきで、自分は特にない」。所属する東京でスタメンを勝ち取っても、おごりはない。

MF堂安やDF冨安が、東京五輪世代ながらA代表に定着。今季のJ1での光るプレーで長谷川監督も「すぐに海外から声がかかるのでは」と絶賛し、2人に続く可能性をも感じさせる。久保は「先のことを考えるほどの余裕は今の自分にはない」と、地に足をつけて研さんを積む。

その才能をバルセロナも追い続け、18歳の誕生日を迎える6月にはスペインに戻る可能性も報じられている。17歳ながら、U-22の世代では抜きんでた存在になりつつある。それでも自身は「まだ(東京でも)主力だとは思っていない」と満足することのない姿勢を貫いている。

本番まであと約1年半。次々と新戦力が台頭している。はじめて五輪世代に招集された17年5月のU-20W杯韓国大会から今回は10人のメンバーが入れ替わり、激しい競争が繰り広げられている。「ここから競争が始まると思う」と、引き締まった表情で気持ちを新たにした。【岡崎悠利】

◆久保建英(くぼ・たけふさ)2001年(平13)6月4日、川崎市生まれ。2歳でサッカーを始め、11年9月に川崎FのU-10からバルセロナの下部組織カンテラへ。世代別代表はバルセロナ時代のU-15インドネシア遠征で初招集。中2の15年5月に東京U-15むさしに加入し、17年5月に15歳でU-20W杯に出場。同年9月に16歳でトップ昇格。横浜在籍中の昨年8月の神戸戦でJ1初得点。173センチ、67キロ。