【バンコク(タイ)9日=杉山理紗】東京五輪で金メダルを目指すU-23日本代表が、初戦のサウジアラビア戦で痛恨の黒星を喫した。1-1の同点で迎えた終了間際、DF岡崎慎(21)がPKを献上。ビデオ判定は覆らず、後半43分にPKを決められ、1-2で敗れた。後半の立ち上がりに先制を許したが、MF食野亮太郎(21=ハーツ)の一撃で、一時は引き分けに持ち込んだ。だが、勝利は奪えず、第1戦を終えてB組最下位と最悪のスタートとなった。次戦は12日、シリアと対戦する。

東京五輪での金メダルに暗雲が漂った。1-1の後半43分、相手との1対1を阻止したDF岡崎がPKを献上。これを決められた。MF食野の同点ゴールも実らず、五輪イヤー初戦に黒星を喫した。森保監督は「追いついて、そこから選手たちが試合を支配して勝ちに持っていければ良かったですけど、少し連係のミスが出た。痛い敗戦になった」と厳しい表情だった。

序盤から攻撃がかみ合わなかった。シャドーの位置に入った食野、MF旗手がドリブル突破で再三のチャンスを作るも、決定的なシュートはなし。ワントップのFW小川には、なかなかボールが収まらなかった。途中交代の小川は「フォーメーションうんぬんより、相手の方が球際とか執念が勝っていた」と悔しそうに話した。

サイドからクロスを上げれど中央のFW小川には合わず、ボランチからのスルーパスはことごとくカットされた。GK大迫は好セーブ連発も、2失点という結果に「後半の早い時間と終盤で失点して落としたのは反省しないといけない」と肩を落とした。

同じB組のカタールとシリアが引き分けたため、第1戦を終えて最下位に沈んだ。中2日でシリア戦と準備期間も少ないが、五輪本番でも同様の日程が予定されている。「球際のところから崩していけるように、勝ち点3取れるように準備していきたい」と指揮官。短期間での立て直しが求められる。