3月のワールドカップ(W杯)カタール大会アジア2次予選が、再延期されることが26日までに濃厚となった。3月25日のミャンマー戦(日産ス)と同30日モンゴル戦(アウェー)が対象。本来は昨年3月実施予定だったが、新型コロナウイルスの影響で、昨年10、11月に延期され、さらに今年3月に1年間延期になっていた。1年たってもコロナ禍は収まらず、再びAFC(アジアサッカー連盟)は開催が厳しいと判断した模様。再延期された場合、6月に中東国で集中開催される可能性がある。

   ◇   ◇   ◇

コロナ禍が、再びW杯アジア予選を直撃しそうだ。AFCは昨年11月、延期されたW杯2次予選を今年3月の国際Aマッチデー(IMD)から再開することを発表していたが、国内で「第3波」が起こるなど、世界的にもコロナ禍の収束の見通しが立たない。AFCに対してはアジア各国から「予選をやるのか」などの問い合わせが殺到している。

AFCは25日に、3月のU-19アジア選手権(ウズベキスタン)、4月のU-16アジア選手権(バーレーン)、さらにフットサル、ビーチサッカーなど、同時期開催予定だったAFC主催の各カテゴリーの大会中止を決めた、W杯2次予選も同様に実施できないと判断する可能性は高い。

もともと昨年3月の予定だったW杯2次予選は今後いつ開催されるのか。現段階で最も可能性が高いのは、3月の2試合を再延期し、6月のIMD(5月31日~6月15日)にはめ込むこと。本来予定されていた6月の2試合に加えて計4試合を同時期、一気に消化する可能性がある。

ただし、短期間で多くの試合が組まれるため、本来のホームアンドアウェー方式は移動時間などで物理的に難しく、セントラル方式の集中開催の可能性が高い。開催場所はカタールやUAEなどの中東国が有力だが、2次予選8組をいくつかに分け、2カ所以上で集中開催することも考えられる。

日本は一昨年に2次予選4試合を消化して4連勝の勝ち点12。2位キルギスとは勝ち点5差開いており、試合さえこなせば、突破は難しくない状況。残るは、3月予定だったミャンマー、モンゴル戦、6月予定のタジキスタン、キルギス戦。6月のIMDの約2週間で、この4試合を一気に消化することになりそうだ。

◆22年W杯カタール大会アジア2次予選延期の経緯 2次予選は20年3、6月に終了する予定だった。だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で10、11月に延期。それでも終息の見通しは立たず、アジア・サッカー連盟(AFC)は11月、同予選を21年3月に再延期すると発表した。最終予選は21年9月(8月30日~9月7日の国際Aマッチデー)に開始し、22年3月までに終えることで国際サッカー連盟(FIFA)と合意。プレーオフは22年5、6月に実施予定とした。

W杯2次予選勝敗表と戦績はこちら―>

◆今後の予定 6月に2次予選の全日程を消化できた場合、最終予選は8月30日から1週間のIMDからスタートすることが考えられる。基本はホームアンドアウェー方式。W杯カタール大会は、中東の気温などを考慮し、通常の夏開催ではなく、11月に開催されるため、大陸間のプレーオフなどを含め、予選を消化するための日程に少しの余裕はある。だが昨年コロナ禍の影響で、予選が1試合もこなせなかったこともあり、AFCはFIFA(国際サッカー連盟)と相談し、アジア最終予選を93年ドーハの悲劇以来の集中開催で行う可能性もある。

◆22年W杯カタール大会アジア予選方式 2次予選は40チームが8組に分かれてホームアンドアウェー方式で対戦。各組1位と2位の成績上位4チームの計12チームが最終予選に進む。F組の日本は4戦全勝で首位に立っている。最終予選は12チームを2組に分け、各組上位2チームが本大会の出場権を獲得。3位同士はアジアプレーオフを戦い、その勝者が大陸間プレーオフに進む。

◆他地域の予選状況 南米予選は昨年10月に7カ月遅れて再開。参加10チームが4試合を消化し、ブラジルが勝ち点12で首位、アルゼンチンが勝ち点10で2位につけている。第5、6節は今年3月に行われる予定。欧州予選は昨年12月に抽選が行われ、今年3月にスタートする予定。