ドイツ1部のシュツットガルトは9日、8日の試合中に救急搬送されたワールドカップ(W杯)カタール大会の日本代表MF遠藤航(29)について、公式サイトで「病院に運ばれ、脳振とうの疑いで一晩入院したが、それ以上の症状はなく、今日退院する」と発表した。

遠藤はホームで行われたリーグのヘルタ戦で頭部を負傷し、後半37分に途中交代を余儀なくされた。後半32分に空中のボールをヘディングしようとした際、後ろからきた相手MFシュニッチと激しく激突。相手の頭が遠藤の右側頭部にぶつかる形となり、ピッチに倒れ込んだ。

すぐにプレーが止められたが、遠藤は最初意識がなく、心配したGKミュラーが体を横にし、口に手を入れて気道を確保しようとした時にようやく遠藤は自力で上半身を起こした。その後、担架に乗せられてピッチをあとにしていた。

◆脳振とうからの復帰プロトコル 日本サッカー協会の公式サイトによると、復帰までは大きく6つのステップがある。(1)十分な休息をとり、症状がないことを確認する(2)最大心拍数の70%以下での強度で、歩行や屋内サイクリングといった軽い有酸素運動(3)ランニングなどのトレーニング。頭部への衝撃のある活動は控える(4)パス練習など複雑な練習(5)通常練習(6)競技に復帰。各段階において、再び症状が出た場合には24時間の休息をとり、1つ前のステップから再開する。以上がガイドラインだが、実際は専門医への受診をし、個別の事例や状況に即して行う。