【ウォルフスブルク(ドイツ)4日=岡崎悠利】サッカー日本代表が当地でドイツとの再戦を迎える。22年W杯カタール大会で金星を挙げた優勝経験国と、今週末9日(日本時間10日)の国際親善試合キリンチャレンジ杯で再戦。その欧州遠征に、合流直前のスペインリーグで2得点したMF久保建英(22=レアル・ソシエダード)ら海外組が続々と宿舎入りした。決戦を前に、日本サッカー協会の田嶋幸三会長(65)が日刊スポーツのインタビューに応じ、森保ジャパンがアウェーでも真っ向勝負を仕掛ける挑戦に期待を寄せた。
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「ドーハの歓喜」から約10カ月、ドイツと再び相まみえる機会が巡ってきた。田嶋会長は「挑戦者の立場は変わらない」としつつ、目力を強めて代表の使命を口にした。「敵地でも勝ちを、あるいは引き分けを。そこを常に代表は求めないといけない」。W杯では2-1で逆転勝利。列島を熱気に包んだ白星が、大国を本気にさせた。試合は週末の夜。スタジアムを完全アウェー状態に、W杯優勝4度のドイツが襲ってくる。
金星も、苦戦を強いられた。国際サッカー連盟(FIFA)によれば、ハーフタイム時点のボール支配率はドイツの72%に対して日本は17%。1点を追う中でシュート本数も1-13と劣勢だったが、森保一監督が覚悟を決めた。後半、MF三笘を左ウイングバックに投入するなど堅守速攻の3バックに変え、耐える展開から少ない勝機を拾った。
一方、結果が全ての公式戦と今回は異なる。26年W杯北中米大会に向けた強化の実質第1歩。「同じような戦い方はきっとしないと思っている」と、真っ向勝負の90分間で収穫を得る姿を田嶋会長は思い描いた。
ドイツとは06年W杯直前の5月、レーバークーゼンで2-2だった親善試合以来となる。当時のFIFAランクは日本が18位でドイツが19位も「あの時のドイツは『大会前に格下のチームと調整したい』くらいの感覚で日本を選んだはず」と肌感覚を思い返す。そして「今回は全く違う」と続けた。着実に欧州列強に近づいている手応えがある。
長く手本にしてきた国だけに感慨深い。自身も83年に現地へ研修に赴き「日本サッカーの父」ことデットマール・クラマーさんのチームで指導術を学んだ。追い続けた存在に、ついにW杯で初勝利。「あの時ほど、うれしかったことはなかった」が「もう終わったこと」だとも今は言い切る。
実際、W杯後はDFの吉田や長友らベテラン勢を選外に。26年W杯に向けた強化に主眼を置き、若返りを図った。今回、敵地でさらに主導権を握られるかもしれないが「選手が(各国リーグで格上に挑む構図など)日常プレーしている環境を考えれば、臆せず対等に戦える」と本気で思える。
2050年までにW杯優勝という大目標も掲げる。98年の初出場から25年。カタールで初めて2大会連続の決勝トーナメント進出を果たしたばかりだ。「(悔しい思いを)繰り返して繰り返して初めて到達できる目標」。優勝まで射程圏に捉えるには、安定して8強に入る力が必要と見る。その領域へ「今、ドイツと試合を10回したら1回ないし2回は勝てると思う。そこを5回、いや6回、勝てるようになりたい」と言い「今回は、最初からがっぷり組む試合ができたら。森保監督がどういう戦い方をするか楽しみ」と期待した。
ドイツ連盟のケラー会長とは今年に入って2度、顔を合わせているが、W杯の話題には及ばないという。「そこはサバサバしている」と意地は感じつつ、本気度は感じる。W杯後のドイツは1勝1分け3敗、日本にリベンジできなければフリック監督の進退論が沸騰する。後がない強国と、その地元で。世界と伍(ご)していくベースを上げていくに、この上ない環境だ。
◆W杯カタール大会の日本-ドイツ戦 1次リーグ初戦で対戦。日本はトップ下に鎌田、右に伊東、左に久保ら先発起用。前半は防戦一方となり、前半33分にギュンドアンのPKで先制点を許した。ハーフタイムに久保を下げてセンターバック冨安を投入。3バックの堅守速攻型に変更し、左ウイングバックに三笘を配した。後半30分に堂安の得点で追いつくと、同38分には浅野が板倉のロングボールから決勝ゴール。2-1の逆転勝利を収め「ドーハの歓喜」と話題になった。
【国際親善試合キリンチャレンジ杯】
日本(20位)-ドイツ(15位)
日時 9日午後8時45分(日本時間10日午前3時45分)
会場 フォルクスワーゲンアレーナ(ドイツ・ウォルフスブルク)
放送 NHK総合で生中継
日本(20位)-トルコ(41位)
日時 12日午後2時20分(日本時間午後9時20分)
会場 セゲカ・アレーナ(ベルギー・ゲンク)
放送 日本テレビ系で生中継
※()内はFIFAランキング

