世界16強進出を果たした日本代表の岡田武史監督(53)が使用している、W杯南アフリカ大会仕様のメガネが緊急発売されることが29日、分かった。発売が決まったのは、高級メガネメーカー「アイメトリクス」が製作した特注モデル。フレーム部分を伝統工芸技法を使って光沢あるブルーに彩色したもの。快挙達成後の反響の大きさに驚く同社では「岡田監督バージョン」を今秋に発売することを決めた。

 日本代表の快進撃を支える岡田監督のトレードマークが商品化される。同監督がガッツポーズする映像が放送されるたび、目もとでキラリと光るメガネも印象的に映った。デンマーク戦勝利後、このメガネをつくるアイメトリクス社の製品を取り扱うメガネ販売各店に問い合わせが相次いだ。また「岡田武史監督」「メガネ」のワードによるパソコン検索ヒット数も急増。各メディアから問い合わせが殺到した同社も「反響に驚いています」として急きょ、同監督バージョンの発売を決めた。

 同監督が今大会使用するメガネは未発売の特注モデル。同社では、同型のモデルを今秋発売に向けて現在開発中だが、同監督に提供したものは特別な細工を施したもので、発売は未定だった。フレームが日本代表チームカラーのブルーに染められ、レンズをはめ込むフロント部分は独特の光沢を出すため、伝統工芸技法「七宝(しっぽう)焼」で彩色されている。

 また試合中に興奮して激しく動いてもずれにくいように、つるの部分は柔軟性のある樹脂素材を使用した。同社は厳しい戦いに挑む同監督に激励の思いを込め、日本出発4日前に提供。おおかたの予想を大きく覆す日本代表の快進撃と合わせ、同監督のメガネ姿もあらためてクローズアップされる形となった。

 同監督と同社との関係は82年にまでさかのぼる。親交のあったプロ野球ヤクルト元監督の古田敦也氏の紹介で、顔の3次元計測によるオーダーメードを特長とする同社のメガネを愛用し始めた。W杯フランス大会では同社がトリコロールカラーの特別モデルを提供したが「当時反響はほとんどなかったです」(同社)。

 また、J1横浜の監督時代、03年リーグ制覇を決めた試合で選手にもみくちゃにされてメガネが壊れた。販売店に修理に持ち込んだが、あまりの壊れように修理は不可能だったが、粉砕されたメガネは今も同社に保管されているという。

 今大会は、同監督のまさにそのおめがねにかなった選手たちが大活躍。国外開催のW杯では初の決勝トーナメント進出という快挙を達成した。