来年の女子W杯カナダ大会の予選を兼ねたアジア杯(ベトナム、5月14日開幕)に出場する日本女子代表に浦和のMF猶本光(20)が初選出されることが28日、分かった。「ヤングなでしこ」の主力として12年のU-20女子W杯日本大会で活躍し、昨年はU-19日本代表で主将を務めた。MF澤穂希(INAC神戸)の後継者と期待される守備的MFが、「なでしこジャパン」の一員としてW杯の出場権獲得に挑む。

 なでしこジャパンに新たな花が咲く。猶本は、MF田中陽子(INAC神戸)らとともに2年前のU-20W杯で「ヤンなで」フィーバーを巻き起こした時の主力。守備的MFとして広い視野を持ち、正確なパスとFKが武器で、澤とMF宮間(岡山湯郷)のプレースタイルを兼ね備えた有望株だ。23歳以下のメンバーで出場した今年3月のラ・マンガ国際(スペイン)は足の故障で辞退したが、同月末のリーグINAC神戸戦で2得点するなど好調を維持している。

 なでしこジャパンは、3月のアルガルベ杯(ポルトガル)で準優勝した。しかし、銀メダルを獲得した12年ロンドン五輪のメンバーから大きな変化はない。来年6月6日開幕のW杯カナダ大会、16年のリオデジャネイロ五輪など今後に向けて世代交代は重要なテーマの1つ。猶本の招集は大きなカンフル剤となるはずだ。

 今回のアジア杯の試合期間は、国際サッカー連盟が定める国際マッチデーではない。そのため、関係者によるとMF安藤(フランクフルト)やFW岩渕(ホッフェンハイム)ら海外でプレーする一部の選手の招集が難しい状況。「国内組でも十分戦える」と話していた佐々木則夫監督(55)は、猶本ら国内の若手数人を招集するとみられる。

 初優勝に挑むアジア杯に向けたメンバー23人は5月2日に発表され、同8日の国際親善試合ニュージーランド戦に臨んだ後、開催地のベトナムに向けて出発する。W杯出場権を得るのは出場8カ国中上位5カ国。猶本の出番は大いにありそうだ。

 ◆猶本光(なおもと・ひかる)1994年(平6)3月3日、福岡県小郡市生まれ。小郡東野少年SCでサッカーを始め、FCリエート、福岡ANサテライトを経て、09年に福岡AN昇格。12年から浦和。10年のU-17W杯、12年のU-20W杯に出場。筑波大在学中。家族は両親と兄、妹。157センチ、50キロ。血液型A。