なでしこリーグ仙台レディースFWジョバーニャ(29)が、実戦デビューして即ゴールした。2月28日、宮城・松島フットボールセンターで常盤木学園高(宮城)と35分×3本の練習試合。新戦力のブラジル代表は2本目からピッチに立ち、3本目の5分にPKを決めた。2本目も得点に絡み、ちょうど1カ月後の今月28日の千葉との開幕戦(オリプリ)に向けて上々の滑り出しを見せた。チームは5-2で勝利した。

 相手ハンドの反則で得たPKを、ジョバーニャは素早くボールを持って蹴ることをアピールした。4-1の3本目5分。右足インサイドで突き刺した。「ホッとしました。チームで初めての試合なので」。格下の高校生相手とはいえ、仙台レディースでの1号がうれしかった。

 2月23日に来日し、翌24日にチームに合流してまだ5日目。時差ぼけ、ブラジルでは経験のない仙台の寒さに体調は「70%ぐらい」と話す。2本目からピッチに立ち「みんなのプレースタイルが見たくて」と、序盤はパス出しに専念。千葉監督から「遠慮するな」と通訳を介して伝えられると、積極的になった。3-0の13分に左足で初めてシュート。GKが捕球できず、こぼれ球をFW有町が押し込んだ。ジョバーニャがもたらした得点だった。

 70分間の出場で、華麗なドリブル突破やDFの背後へ抜ける動きなどは少なかったが、ヘディングで競り勝つなどブラジル代表FWの実力の一端を示した。千葉監督は「体の強さ、一瞬のスピードは見せてくれた」と評価する一方で「もっともっとやってもらわないとダメ」と、今後のペースアップを望んだ。

 開幕までジャスト1カ月。昨季年間7位からの逆襲へ、周囲との連係や言葉の壁など克服すべき課題はある。それでも今季補強の目玉として、ゴールを求められていることは分かっている。「リーグに向けて個人もチームも成長する。1日1日を頑張りたい」とジョバーニャ。完調へ上昇カーブを描いていく。【久野朗】

 ◆カンポス・ジョバーニャ・ドミンゲス 登録名はジョバーニャ。1985年10月31日、ブラジル生まれ。01年ビブラサオ・リオ(ブラジル)を皮切りに現代(韓国)などを渡り歩き、仙台で9チーム目。前所属サンジョゼ(ブラジル)では、昨年日本で開催された国際女子クラブ選手権決勝で得点して世界一に貢献。ブラジル代表では昨年の南米選手権に優勝している。168センチ、58キロ。右利き。