山形は10日、明日12日のホーム広島戦に向けて天童市内でミニゲームとセットプレー練習を行った。現在、第2ステージ(S)第8節を消化した時点で年間最下位。J1が18チームになった05年以降、リーグ25試合消化時点での最下位チームはすべて降格している。10戦連続先発が濃厚のMF宮阪政樹(26)の積極的なミドルシュートで、年間首位の広島とともに、不吉なジンクスも吹き飛ばす。

 残留に向けて、不退転の覚悟で臨む。宮阪はリーグ残り9試合で最下位のチームが、過去10年すべて降格している事実を聞かされても動じなかった。「過去は関係ない。まだ残留の可能性はある。目の前の試合を全力でやるだけ。あきらめる意味はない」。発する言葉に自信がみなぎっていた。

 データが後押しする。第2S第9節に勝利した残留圏15位新潟との勝ち点差は7。だが山形はまだ同節を消化しておらず、残り1試合多い状況。第8節時点(25試合)なら4差は過去11年間で最小だ。9試合で十分逆転圏内といえる。宮阪は「広島をたたいて、20日の柏戦から中2日で続く3連戦に勢いをつけたい」と前を見据えた。

 第1Sで1-5の大敗を喫した広島相手に守備的な3-6-1で挑む。ダイヤモンド型の中盤右MFで出場する宮阪には、通常のダブルボランチよりも攻撃的な姿勢が求められる。「前線のディエゴ、フランクがボールをキープしてくれる分、自分が前に出ていかないと」。2列目から積極的な飛び出しを狙う。

 硬直した局面では、ミドルシュートが効果的だ。宮阪の武器は正確な足元から繰り出される強烈なシュート。「スペースがあったらどんどん打っていく。ペナルティーエリア外からでも狙っていきたい。打たないと点が入らない」。リーグ最低得点に沈む攻撃陣に、アクセントを加える。

 もう負けられない。狙うは15試合ぶりの勝利のみ。「ここまで来たらトーナメントと一緒。信じて戦うだけ」。「山形のバズーカ砲」が打って打って打ちまくる。【高橋洋平】