J2C大阪は17日、パウロ・アウトゥオリ監督(59)が退任し、新たに大熊清強化部長(51)が就任すると発表した。今季残り1試合となった23日のリーグ最終節東京V戦(ヤンマー)とJ1昇格を懸けたプレーオフ(PO)で指揮を執る。

 玉田稔社長(62)は監督交代に至った経緯を「ここ数試合選手にアグレッシブさがなかったように思えた。もう少し早く(交代すれば)というところはあったかもしれないが、アウトゥオリ監督と最後までいきたいという思いが強くあった」と説明した。

 チームはここまでJ2屈指の戦力を持ちながら、J1自動昇格を逃しPO圏内の4位に低迷。ここ5試合は勝ちなし(2分け3敗)だった。ここまで率いたアウトゥオリ監督は、同社長、大熊新監督と大阪市内のホテルでこの日午前中に話し合い、事実上の解任に至った。違約金も発生することとなるが、玉田社長は「J1昇格と(違約金を払うこととは)てんびんに掛けることはなかった」とし、異例の残り1試合を残しての交代劇となった。

 選手にはこの日の練習前に伝えられた。アウトゥオリ前監督は姿を現さず、最後のあいさつはなかった。今後、あらためてあいさつするかも未定。FW玉田圭司(35)は「動揺はない。今日の練習でもいい雰囲気でやれた。少しでも良い形にしてチームとしても自分としても結果を出したい」。DF中沢聡太(33)は「選手として責任を感じている」。日本代表としてW杯アジア2次予選のためカンボジアに滞在中のMF山口蛍主将(25)にも、大熊新監督からメールで伝えられたという。

 大熊新監督は、今後の3試合について「パウロ(アウトゥオリ監督)のベースを引き継ぎながら、戦える選手を使いたい。ここからは、クラブ力が問われる」。早速、この日の練習から大きな声で指示を出し、選手を鼓舞していた。新体制となったC大阪は4位確定を目指し、23日のホーム最終戦に臨む。