ミラノダービーにも負けない熱い戦いになるかもしれない。ACミラン本田圭佑(29)の母校・星稜(石川)とインテルミラノに所属するDF長友佑都(29)の母校・東福岡が今日9日、埼玉スタジアムで行われる全国高校サッカー選手権準決勝で激突する。前回王者と総体覇者の一戦でもあるとともに、まさに偉大なOBの“代理戦争”。意地と誇りを懸けた戦いになる。

 東福岡DF小田逸稀(2年)は星稜戦に向け「相手のサイドにスピードある選手がいる。自分の持ち味である競り合いの強さ、持久力を生かして対処したい」と確認するように言った。

 「偉大な先輩。当然意識します」という長友との共通項は、左サイドバックというポジションだけではない。八丈島で走り込み合宿を行う長友と同じように、2キロにも及ぶ地元唐津の浜辺を毎日往復し、下半身と心肺能力を鍛え上げた。

 その効果もあり、中学時代は佐賀・唐津市の駅伝大会で区間新記録を樹立した。高校に進学してからは、長友の著書2冊を購入。内容に沿って毎日1時間の体幹トレーニングを続ける。

 「体幹が強くなってキック力が増した」。173センチと大きくないが、空中戦も含めた競り合いにも強くなった。長友の自伝も読み、サッカーに真摯(しんし)に取り組む姿勢も学ぶ。

 星稜との対戦が決まると、長友はツイッターで「圭佑の出身校と対決。ミラノダービー?」と反応した。当然フォローしている小田は「ああ言っていただいたら、負けるわけにはいきませんよね」と強く意気込んだ。【塩畑大輔】