J3秋田に元日本代表MF伊東輝悦(41)が入団することが19日、濃厚となった。秋田の岩瀬浩介社長兼強化部長(34)が正式にオファーを出した。J3長野を昨季限りで退団した伊東も、入団に前向きという。J1で517試合に出場した鉄人が正式に加入となれば、J3で2年連続8位からの躍進を目指す秋田にとって大きな戦力と話題になる。

 真冬の秋田にホットな話題だ。フィールドプレーヤーとしてJ1最多517試合に出場、元日本代表伊東が入団する可能性が高まった。17日に秋田の岩瀬社長兼強化部長と会い、オファーを受けた。入団に前向きとされ、明日21日にも承諾の返事を出すという。

 秋田は14年にスタートしたJ3で2年連続8位。JFL時代も8位を上回ったことがなく、就任2年目の間瀬秀一監督(42)は7位以内を今季の目標に掲げた。引退を含めて昨季限りで18人が退団した。新加入は15人と大幅にメンバーが入れ替わる。ボランチとしての技術的な面だけではなく、チームの精神的支柱としても伊東の獲得に乗り出したとみられる。

 伊東は「マイアミの奇跡」と呼ばれた96年アトランタ五輪1次リーグのブラジル戦で、ゴールを奪って1-0の勝利を呼び込んだ。日本代表では国際Aマッチ27試合に出場した(無得点)。Jリーグでは93年に清水に入団し、11年から甲府に移籍。14年から長野に加わったが、15年の出場はわずか3試合にとどまった。

 8月で42歳になるがJ2、J3を含めた通算553試合の出場は「鉄人」と呼ばれるほどで、ここまで大きなケガはない。昨季からのステップアップを狙う秋田に超大物の入団となれば、今季の注目度は確実に上がることになる。

 ◆伊東輝悦(いとう・てるよし)1974年(昭49)8月31日、静岡・清水市(現・静岡市清水区)生まれ。袖師小-袖師中-東海大一(現東海大静岡翔洋)を経て、93年に清水入団。18年間在籍し、11年にJ1甲府に移籍。14年からJ3長野でプレー。96年アトランタ五輪に出場。日本代表として98年W杯・仏大会メンバー。J1通算517試合30得点。J2通算25試合出場。J3通算11試合出場。168センチ、70キロ。血液型B。