頑張るだけでは定位置は奪えない-。24日、ニューイヤー杯沖縄ラウンドでJ2札幌は東京Vに0-1で敗れた。今季初実戦は、若手中心のメンバーで臨むも、無得点での敗戦となった。四方田修平監督(42)は運動量に関しては及第点も「レギュラーで出続けるという部分で見ると、もうひとつ基準を上げていかないと」と指摘。ゴール前のプレー精度が低く、開幕スタメンに入るにはアピール不足だと、厳しい口調で話した。

 “下克上”のスタートにはならなかった。札幌先発11人の平均年齢は22・64歳。前線は2トップに22歳荒野と21歳中原、トップ下に21歳神田、3バックには21歳永坂、20歳内山、19歳進藤が並んだ。だが、8人が23歳以下という若い布陣で、今季初ゴールを生み出すことができなかった。

 前半26分、上原の右クロスに中原がスライディングで飛び込んだが届かなかった。中原は30分にも神田のパスを受けミドルシュートを放つも、DFにブロックされ無得点。後半41分、こぼれ球を拾った神田のシュートはGK正面に飛んだ。

 昨年12月、四方田監督は24歳以下の選手に、全体練習終了後も約2週間の若手練習を課した。始動日も、全体より2日前倒し。早い段階から体を動かしてきた若い戦力のアピールタイムに設定したのが、今回の90分だった。「最後の精度が足りない。チャンスを決めきれるかどうかで、選手として試合に出て行ける。もう少し練習から結果にこだわる必要がある。危機感を植え付けられれば」と課題を挙げた。

 状況を考えプレーを選択する判断力の部分でも、未熟さが出た。風速12メートルの強風が吹くピッチ。風上では押し込んだが、風下になると目に見えて劣勢になった。指揮官は「前線のボールの引き出し方、出しての冷静さがあれば、風下でも自分たちの時間をつくれた」と指摘した。

 キャンプ7日目と、異例の早さで実施されたJクラブ相手の実戦。当然、疲労のある中でのゲームでもある。四方田監督は「最後まで走れていたし、思い切ってやってくれていた」と運動量の面では及第点を与えたが、J1昇格には、主力を脅かす若手の台頭が不可欠だ。「最初から狙っていたから悔しい。映像で確認して修正したい」と中原。実績で劣る選手が信頼を勝ち得るには、少ない機会で確実に結果を出していく他に、手段はない。【永野高輔】

 ◆札幌のシーズン初実戦 通算9勝7分け5敗。96年のクラブ初年度は、横浜サテライトに1-2敗戦、Jリーグ参入初年度の98年はメキシコのプエブラに1-1ドロー。Jクラブ相手の初戦は通算6度あり、1勝2分け3敗。07年2-2川崎F、09年1-0大宮、10年1-2柏、11年1-4大宮、15年1-1川崎F、16年0-1東京V。同カテゴリー同士の対戦は10年柏戦と今回の東京V戦で、いずれも敗れている。